歯周病には口腔バイオフイルム(プラーク)のコントロールが大切です
歯周病を発症する人としない人の違いはなに?
多くの人のお口の中に、歯周病菌の「AA菌(アクチノバチルス アクチノマイセテムコミタンス菌)」「PG菌(プロフィロモナス ジンジバリス菌)」が存在しています。しかし、全ての人が歯周病を発症するわけではありません。
歯周病を発症する人としない人がいるのは、何故でしょうか?
アメリカの歯周病学会では当時の会長が
「歯周病は、細菌感染症であるとの認識は、覆された」
「歯周病になるかならないかは、歯周組織の細胞環境に関係がある」と述べています。
歯周病治療における抗生剤の使用
歯周病治療の際に抗生剤を使った方もいらっしゃるかもしれません。抗生剤は確かに細菌に即効性がありますが、口腔内細菌を0にすることはできません。また、抗生剤は色々な種類の細菌を殺すので、病原菌だけでなく身体にとって必要な腸内細菌まで死滅させてしまいます。そして腸内細菌のバランスが乱れることで、同時に免疫力も低下してしまいます。
バイオフィルム(プラーク)
バイオフィルムとは一般的に、層状に共存し、結合剤として機能するタンパク質と炭水化物によって結合された微生物の集合体です。微生物は協力して働き、互いに助け合い、サポートし合います。
お口の中には常にバイオフィルムがありますが、これは消化管の他の部分、すべての粘膜や湿った表面、膣、股間、脇の下、頭皮も同じです。
口腔内のバイオフィルム(プラーク)は、唾液のアミラーゼや血流から濾過された体液に含まれるタンパク質や炭水化物と結合した細菌(および真菌やウイルス)で構成されています。
プラークコントロール
プラークコントロールとは、プラークを完全に除去するのではなく、歯周病菌が優勢なプラークを生体に害のないプラークに変えて、歯周組織の健康を保つプラークの生体を作り上げることです。プラークには、有害な細菌のみならず、有益な細菌も含まれていますので、プラークコントロールで細菌叢を変えるのです。
我々の腸内にも善玉菌、悪玉菌、日和見菌がいますが、善玉菌を増やして悪玉菌を減らすことで健康になる仕組みに似ていますね。
自分でできるプラーク(歯垢)除去
簡単なプラーク(歯垢)の除去方法としては、重曹水を作ってうがいをするのがおすすめです。重曹水うがいの後、水ですすがないように注意してください。うがい後は、ブラッシングやフロスをすると良いと思います。
参考図書:飯塚哲夫 歯周療法の基礎 第6版
小峰一雄 自然治癒力が上がる食事