ビタミンD3の不足と、お子さんの歯並びの関係について|札幌市西区 クラマス歯科|金属アレルギー、メタルフリー治療|歯科医院 歯医者

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ビタミンD3の不足と、お子さんの歯並びの関係について

ビタミンD3の不足と、お子さんの歯並びの関係について

皆さんは、「ビタミンD3」の欠乏が、歯並びの乱れ(不正咬合)の発生に影響を与える可能性がある、というお話をご存知でしょうか。

これは2021年に発表された論文のテーマなのですが、以前にも私がコラムでご指摘した通り、現代の日本人の多くがビタミンD3の血中濃度不足にあると言われています。そういった意味でも、非常に高い関心を持っていただける内容ではないかと思います。

論文が示唆する「骨の発育とビタミンD3」の関係

この研究内容を分かりやすく要約いたしますと、次のようなことが書かれています。

顔や頭の骨の異常な成長は、骨格や歯の欠陥を引き起こし、その結果として歯並びの乱れ(不正咬合)が生じます。この不正咬合の原因はすべてが解明されているわけではありませんが、骨格の異常が発生する背景として、くる病を引き起こす原因ともなる「ビタミンD3(VD3)」をはじめとした、全身的な栄養の欠乏状態に注意が向けられています。つまり、ビタミンD3が慢性的に不足することが、骨格性の不正咬合につながる可能性があるのではないか、ということです。

本研究では、ビタミンD3の欠乏が不正咬合の発生に及ぼす影響を評価することを目的に、医学的な問診、口腔内診査、お口の型採り(アルジネート印象)、レントゲン等の放射線画像撮影、矯正学的評価、そしてビタミンD3濃度を測定するための血液検査などが実施されました。

研究によって見えてきたデータ

検査の結果、対象となった患者さんの約42.1%に「骨格性の異常」が認められ、46.5%に「歯槽性(歯そのものが原因)の不正咬合」が認められました。その中でも最も多く見られたのが、上あごの横幅が狭くなっている状態(狭い上顎歯列弓を伴う上顎の横方向の狭窄)であり、全体の30.7%を占めていました。

そして、この研究対象グループにおけるビタミンD3の血中濃度を調べたところ、平均して「23.6 ± 10.5 ng/mL」という数値であり、なんと全体の75.4%(86名)の方にビタミンD3の欠乏が認められたのです。

これらの結果から言えることは、ビタミンD3の欠乏が、上あごの健やかな発育に影響を与える重要な要因の一つである可能性が示された、ということです。

【補足】コラムに出てくる言葉の解説

●上顎歯列弓狭窄(じょうがくしれつきゅうきょうさく)とは
上あごの歯並びの横幅が狭い状態のことです。上の歯列は本来、ゆるやかなU字型のアーチを描きますが、これが狭くなると歯が並ぶスペースが足りなくなったり、上下の噛み合わせがズレやすくなったりします。

上顎歯列弓狭窄(じょうがくしれつきゅうきょうさく)

●叢生(そうせい)とは
歯がガタガタに重なって並んでいる状態(乱ぐい歯など)です。歯が並ぶスペースに対して歯のサイズが大きかったり、あごの幅が狭かったりすると、きれいな一列になれず、前後にズレたり重なったりします。

叢生(そうせい)

●交叉咬合(こうさこうごう)とは
上下の歯の噛み合わせが、通常とは逆に交差している状態です。通常、奥歯は上の歯が下の歯に対して少し外側にかぶさるように噛みますが、これが逆になってしまっている状態を指します。

交叉咬合(こうさこうごう)

お身体の内側からも、健やかなお口を育てるために

ビタミンDの重要性については過去のコラムでもお話ししてまいりましたが、やはり私たちの身体、そして骨や歯の成長にとって大変重要な栄養素です。

お口の中の環境を整えることはもちろん大切ですが、ご自身や大切なお子さんのビタミンD3が不足していないかどうか、一度調べてみるのも良い機会かもしれません。ビタミンDだけでなく、他の必要なビタミンや栄養バランスと合わせて、毎日の食事や生活習慣を見直すきっかけにしていただければ幸いです。

<参考文献>

・Rapeepattana S., Thearmontree A., Suntornlohanakul S. 混合歯列期における不正咬合および主要な矯正問題の原因:8~9 歳のタイの子供を対象とした横断研究。J. Int. Soc. Prev. Community Dent. 2019;9:383–389.

・カルウォフスカ I. ザリス・オルトドンチ・ヴスポウチェスネジ。 PZWL;ポーランド、ワルシャワ: 2006 年。60 ~ 63 ページ。

・Proffit WR、Fields HW, Jr.、Larson BE、Sarver DM『現代矯正歯科』第 6 版、Elsevier; フィラデルフィア、ペンシルベニア州、アメリカ合衆国: 2019 年、pp. 107–136。

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・Hall EJ Guyton and Hall 医学生理学教科書。Saunders Elsevier; フィラデルフィア、ペンシルベニア州、アメリカ合衆国: 2011 年。

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