これからの季節に考えたい「花粉症」と体の内側の関係
「花粉症」は今や国民病ともいわれていますが、この言葉が使われるようになったのは比較的最近のことです。日本で初めて「花粉症」と診断された患者さんが報告されたのは1960年代。当初の原因物質(アレルゲン)は、キク科植物であるブタクサの花粉でした。

花粉症はいつから増えたの?
ブタクサは、アメリカ進駐軍によって日本に持ち込まれ、その後繁殖し、花粉を飛散させるようになったと考えられています。さらにその翌年頃から、現在多くの方が悩まされているスギ花粉症も報告されるようになりました。

振り返ってみると、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患も、以前より増えていると感じる方は多いのではないでしょうか。
食生活の変化とアレルギーの関係
日本では戦後の食料不足を背景に、アメリカから輸入された小麦を使ったパン食や脱脂粉乳が学校給食として広まりました。その後、牛乳が提供されるようになりましたが、当時、下痢などの不調を訴える子どももいたとされています。
また、輸入小麦には「ポストハーベスト」として有機リン系殺虫剤(マラチオン、クロルピリホスメチルなど)が検出されたという報告もあります。
これらの要因が、アレルギー性疾患の増加に関与している可能性があると考えられています。
「食」と体の考え方
欧米型の食生活が日本に広がることで、私たちの生活は豊かになった一方で、さまざまな体の不調が増えた側面もあります。
薬膳の考え方には、「誤った食事は病を生み、正しい食事で病は自ずと癒える」という言葉があります。日々の食事が体調に与える影響は、決して小さくないのかもしれません。
栄養医療的アプローチの考え方
栄養医療の視点では、アレルギー全般に対して免疫の過剰な反応(暴走)を調整するという考え方が用いられることがあります。その一つがビタミンDです。血中濃度を一定レベル(例:60ng/ml)を目標にする考え方があり、必要に応じてビタミンAを併用する場合もあります。
これらは、免疫機能に関係する粘膜の状態を整えることに関与すると考えられています。また、腸の粘膜環境を整えるためにグルタミンが重要とされることもあります。
食生活で意識したいポイント
- 血糖値の急激な変動を避ける
- 糖質の摂りすぎに注意する
- 必要に応じてグルテンフリー・カゼインフリーを取り入れる

まとめ
花粉症は花粉だけでなく、食生活や栄養、腸内環境、免疫バランスなど、体の内側の状態も深く関係していると考えられています。
できることから少しずつ見直し、自分の体に合った対策を考えていきましょう。
HOME
診療内容