健康診断の『基準値』は決して『正常値ではない』
過去通院していた歯科医院で、保険の銀歯をかぶせてから体調不良になった患者さんが、その1年後、当院ホームページを見つけて来院されました。
持参してくださった血液検査結果をもとに、当院のオリゴスキャン検査と、ビタミンDの血中濃度を測定したところ、ご自身の体調と符合するところが多かったご様子で、「来て良かったです。」と話しておられました。
銀歯などのお口の中に入っている金属を徐々に外して、害のないセラミックに交換していく予定ですが、金属を外しても即座に体調は改善されません。ですので、血液検査、オリゴスキャン検査、ビタミンD血中濃度の結果をもとに、不足しているビタミンとミネラルを補給し、食生活も見直していただきながら、効率的、効果的に栄養を取り入れられるようにしていくことになりました。
お口の金属の話に戻りますと、腐食した金属イオンが粘膜や血流に入り込むと、免疫機能に変化を与える可能性があります。
最近多数の患者さんの結果を見ていて感じるのですが、タンパク質、ビタミンB、D、亜鉛、鉄、マグネシウム不足の方が非常に多いです。中でも、お肉やお魚を食べずに野菜中心の方には、タンパク質、鉄不足気味の方が多いですね。
タンパク質は、筋肉、皮膚、骨、歯の元になりますし、血液、血管をつくり、ビタミン、ミネラルを身体中に運び、体調を整えます。また、野菜では鉄の吸収が悪いので、鉄不足気味になると、全身倦怠感、頭痛、抑うつ症状、食欲不振など、多岐に渡る症状が出やすくなります。
昔の漫画映画のポパイは、ホウレンソウを食べていましたが、今考えると、鉄は吸収されていないと思います。
健康診断の『基準値』は決して『正常値ではない』ことを知っていただきたいと思います。この患者さんも、お医者さんに「異常なし」と言われたのに、体調不良でずっとお困りでした。
ご自身では健康に気を付けているつもりでも、実際に栄養が足りているかどうかは見た目では分かりません。ご自身の体の状態を数値で正しく知り、足りないものを補っていただけると、お困りの症状が改善したり、より健康に近づけると思います。
気になる症状がある方や、健康に気を配りたい方は、遠慮なくご相談ください。